Public Domain(パブリックドメイン)とは?
Public Domain(パブリックドメイン)とは
- Public・・・公共の
- Domain・・・所有物
ということで、著作権などの知的財産権のない状態のものを言います。簡単にいえば「自由に使っても(知的財産権を理由に)訴えられることのない著作物」のことです。
Public Domainになるものとしては大きく3種類あります。
- 著作者が、権利を放棄したもの
- 著作者の死後、一定の時間(国による)が経過して著作権が消滅したもの
- 著作者の死後、その権利をゆずるべき相手がいないために権利が消滅したもの
日本ではまだ認知の少ないPublic Domain(パブリックドメイン)ですが、海外では一定の市民権を得ています。
Public Domainの注意事項
上手に使えば有用なPublic Domainですが、いくつかの注意が必要です。
1.著作権が切れていても、他の知的財産権が残っている場合がある
たとえば写真などの場合は、写真を撮った人(著作者)が著作権を放棄していても、その写真に人物の姿が写っていた場合には、その人の肖像権を侵害する可能性があります。同様に企業のロゴなどが写っている場合も危険性があります。
また音楽作品などの場合、楽譜の著作権はすでに切れていても、その楽譜をもとにした演奏には別の知的財産権が発生することもあります。
リアルな”物”の場合には、著作物を商標登録している企業があったり、意匠権(工業的なデザインの創作についての権利)で保護されていることもあります。
2.国によって保護期間が違う
たとえば著作権の場合、
- 日本では、原則として著作者の生存期間および死後50年までが保護期間です。
- アメリカでは、原則として著作者の生存期間および死後70年までが保護期間です。 (1978年1月1日以降に創作された著作物について)
このように国によって知的財産権の保護期間が違います。たとえば、日本では著作者の死後50年が経ってPublic Domainとなったものでも、アメリカではまだ(死後70年経っていないので)Public Domainとはいえない、ということがあるわけです。そのため特に海外のPublic Domainを利用する際には注意をする必要があります。
なお世界的に見るとベルヌ条約(世界160ヶ国以上が加盟)において、著作権の保護期間は「著作者の生存中および死後50年」と定めているので、このような保護期間をとっている国が多いです。
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